2024年11月の記事一覧
校長日誌 日本人宇宙飛行士
11月29日(木)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)では、宇宙飛行士を選抜するにあたり、今回の選抜ではそれまでの応募資格が変更になりました。学歴と専門性の条件は撤廃され、身長の制限も緩和され、訓練中に習得可能な泳力や自動車運転免許などの条件も応募資格からはなくなりました。より多くの志望者に門戸が開かれ、これまで以上に多様な応募者が選抜試験に挑めるようになったということです。
JAXAの宇宙飛行士候補者選抜は、1年という期間をかけてじっくりと行われます。書類選抜に始まり、英語や一般教養、STEM分野(科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics))の試験(国家公務員採用総合職試験〈大卒程度試験〉相当)、小論文などによる第0次選抜から最終段階の第三次選抜まで、トータルで5段階。各ステップで心身の健康状態からプレゼンテーションやコミュニケーションの能力、運用技量まで、宇宙飛行士に必要なあらゆる資質を審査されて決定するものです。
今回の選抜試験では、1,563名の方が応募して、令和5年2月にJAXA宇宙飛行士候補者として、米田あゆ(よねだ あゆ)氏と諏訪理(すわ まこと)氏の2名が選抜され、全ての基礎訓練項目を修了し、 審査委員会の審査を受け、令和6年10月21日付けで宇宙飛行士として認定されました。
米田あゆ氏は、東京都出身の29歳で、東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センター、虎の門病院の医師を経て、令和5年4月にJAXAへ入構し、宇宙飛行士候補者基礎訓練開始し、10月同基礎訓練を修了して、宇宙飛行士として認定されました。
諏訪 理氏は、東京都出身の47歳で、過去最高齢で宇宙飛行士に認定されています。プリンストン大学大学院地球科学研究科修了後、青年海外協力隊にてルワンダ国派遣、国際連合・世界気象機関(WMO) 、世界銀行を経て令和5年 7月にJAXAへ入構し、宇宙飛行士候補者基礎訓練開始し、10月同基礎訓練を修了して、宇宙飛行士として認定されました。
おふたりが体験した基礎訓練とは、宇宙飛行士として必要となる基本的な知識や技量の修得を目的とし、候補者の所属国が実施するもので、ISS参加各国(日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国、ロシア)の宇宙機関が合意した訓練要求にもとづいて実施されています。
基礎訓練は、大別して以下の4つの分野で構成されています。
(1)宇宙飛行士として必要な工学や宇宙機の概要等に関する知識(イントロダクション)を修得する訓練
(2)軌道上で実施する種々の宇宙実験に必要なサイエンス関連の知識を修得する訓練
(3)ISS/「きぼう」日本実験棟のシステムの概要を修得する訓練
(4)宇宙飛行士に必要なスキル(一般サバイバル技術、飛行機操縦、泳力、語学、体力等)の習得・維持向上を目的とした基礎能力訓練
こうしたことからもわかるように、宇宙飛行士という仕事は、様々なことが皆出来る人が選ばれています。宇宙空間という我々では想像もできないような厳しい環境の中で、様々なミッションを成し遂げていかなくてはなりません。宇宙飛行士の皆さんの今後の活躍に期待したいと思います。
私も仕事でお会いしたり、講演を聞くことができた日本の歴代の宇宙飛行士の方々は、向井千秋氏、毛利衛氏、若田光一氏、野口聡一氏の4名だけですが、皆さんとても素晴らしい方で、講演などもとても分かり易く、ためになったという思いがあります。
川南生の皆さんも、感受性の高い高校生のこの時期に将来についていろいろなことを考え、自分の進路実現に繋がる進路を選択できるようにしていきましょう。