2025年1月の記事一覧
校長日誌 二十四節気の「大寒」です
1月20日(月)
本日は二十四節気の「大寒(だいかん)」です。期間でいうと今年は1月20日(月)から2月2日(日)までとなります。また、2月2日は立春の「前日」で「節分」になります。「大寒」は一年で寒さが最も厳しい頃といわれます。二十四節気では24番目になります。
「小寒」から「大寒」までの期間は、「寒中」といい、「寒中見舞い」は、「小寒」から「大寒」までに出す季節の便りです。寒さの厳しい頃に、一般的な季節のご挨拶としてはもちろんのこと、年賀状の返礼を松の内に出していない場合や、喪中の方へのご挨拶などに出すものです。
本日の天気予報で川越市周辺は曇り一時雨の予報が出ていますが、最高気温は13℃と2月下旬ころの予報となっています。温かくなることはよいと思いますが、その分、花粉の飛散も早くなることが個人的は嫌です。東京都内では1月8日に花粉の飛散が観測されているそうで、とても気が重くなっています。
大学入学共通テストも、比較的穏やかな天候の中で終えることができ、受験をした3年生は今日は自己採点を行い、複数の予備校へデータリサーチを提出することになります。データリサーチは、5校程度の希望大学学部学科を記入して、今回の点数での合否判定の予想が出されてくるものです。最後に担任をした際に、相当な注意をしたはずですが、複数の生徒が全予備校に全く同じ志望校を記入して、全て同じ合否判定予想が返ってきて、某予備校のPCサイトを使って、進路指導をしたことを覚えています。結果は気になると思いますが、2月から始まる(はずの)私立大学の一般受験とその後に始まる国公立大学の二次試験に向けて準備をしていきましょう。
校長日誌 大学入学共通テスト前日となりました
1月17日(金)
いよいよ明日明後日は大学入学共通テストになります。本校の3年生も約300人弱の生徒が受験をすることになっています。現在の大学入学共通テストは同じ高校でも受験教科の関係で受験会場が異なっていますので、くれぐれも余裕をもって公共交通機関で移動をしてください。この大学入試共通テストを皮切りに私立大学の一般入試も始まります。文部科学省の入試要項等では、以前から一般入試は2月1日以降と決まっているのですが、一向に守られていないというのが腑に落ちません。そして、国公立大学の前期試験・後期試験です。いよいよ、受験本番です。いつも言っていますが、自分がやってきたことを信じて向かっていきましょう。そして、体調管理だけは気を付けてください。体調不良で、せっかく準備してきたパフォーマンスが十分発揮できないのでは、悔やんでも悔やみきれませんから。
また、30年前の平成7年1月17日(火)5時46分52秒、淡路島北部の震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した「阪神淡路大震災」の起こった日です。当時、朝のニュースで大変なことが起こっていると感じたのを覚えています。そして、高速道路らしきものが、支柱から折れていて、さらに周囲では火災が発生していて、本当にこれが日本列島内で起こっているのかと衝撃を受けたことも忘れられません。
ずいぶん昔の話になりますが、平成26年度に和光市にある理化学研究所の広報室に1年間研修でお世話になったことがありました。平成27年1月7日に、「広報誌RIKEN」という冊子の取材で、兵庫県神戸市の理化学研究所計算科学研究機構(ポートアイランド)にあったスーパーコンピュータ京を活用している研究者の取材に同行したことがありました。その際、少しだけ時間があったのでJR三宮駅で降りて、ポートアイランドに向かう手前にある神戸市役所のすぐ南隣にある公園内に震災で亡くなった方の名前が示されていた半地下の施設(慰霊と復興のモニュメント)があって見学したことがありました。その後、取材をさせてもらった研究者の先生が、東京大学の地震研究所の所属の方で、スーパーコンピュータを使って、ある都市の建物全てについて、その構造や建築年数などのデータを入力して、大地震が起こった際に、どのような被害が起きるかなどのシミュレーションを行い研究を見せていただき、さらに衝撃を受けた覚えがありました。また、翌年度北部地区のSSH事業の指定を受けている高校の教頭として異動した際に、理数科の1年生40名を連れて、東京大学の地震研究所を訪問しました。地震大国の日本ですから、様々な研究が防災に繋がることを祈りたいと思います。
校長日誌 南海トラフ地震
1月16日(木)
本日も気温は低いようですが、晴天が広がり、冬らしい日になりそうです。1・2年生は6時間授業ですが、3年生は午前授業で午後は共通テスト対策講座を実施しています。
先日1月13日に宮崎県沖の日向灘で大きな地震が発生した事を受けて、政府の地震調査委員会は昨日15日、活断層や海溝型地震の長期評価(1月1日時点)を発表したという報道がありました。南海トラフ沿いでマグニチュード(M)8~9クラスの巨大地震が30年以内に発生する確率を「70~80%程度」から「80%程度」に引き上げたとありました。
平田委員長は「年数の経過と数字の四捨五入の関係で上がったが、確率が10ポイント上昇したわけではない。元々確率は高いので、いつ起きてもいいように備えることが大事」と説明し、昨年8月に日向灘で発生したM7・1の地震の影響は考慮していないということでした。
日本列島は4つのプレートが重なっていますので、地震の起きる確率はもともと高いものです。今回発表された南海トラフ地震については、日本列島の太平洋側のたいへん広い範囲で予想されているものです。学校でも、毎年防災訓練を行っていますが、一人一人が普段から心掛ける必要があると思いました。
校長日誌 絵馬納め所にきれいな看板がつきました
1月15日(水)
先日報告させてもらった3年生の廊下にある「絵馬納め処」に書道部で全国高等学校総合文化祭に出展した増田さんが書いてくれた「合格祈願」と書かれた看板がつきました。
日に日に絵馬の数も増え、まずは今週末の大学入学共通テストに向けて、テンションを上げているところだと予想しているところです。
また、今日の日中は最高気温が15℃前後まで上がり、風もなくとても穏やかな日になりました。しかし、夕方から気温が下がり始め、夜は例年並みの寒さになるようです。受験生の皆さんは、健康管理には十分注意を払ってください。
校長日誌 蟷螂之斧
1月14日(火)
今週末は「大学入学共通テスト」が予定されています。比較的穏やかな日になりそうです。本校からも多くの生徒が受験する予定ですので、交通機関の乱れ等がなく、無事に日頃の学習の成果が発揮できることを祈るばかりです。
現在の大学入学共通テストは、2021年度(令和3年度)から始まり、今年度が4回目になります。それまでは、大学入試センター試験でした。大学入試センター試験のころは約55万人の受験生がセンター試験を受験していました。
かなり前のことですが、私が高校教育指導課の指導主事をしていた時、大学入試センターのある委員会の委員として会議に参加していました。ちょうど、教育局の別の課から異動して平成21年度から教育長が参加するすべての大学入試等の会議を傍聴していましたので、大学入試の仕組み等についてもかなり詳しくなっているころのことでした。現行の一つ前の学習指導要領に変わるとき、理科については例えば、物理Ⅰ(3単位)と物理Ⅱ(3単位)という区分が、物理基礎(2単位)と物理(4単位)と変わり、それまでの大学入試センター試験では、理科はⅠがつく科目(3単位)を選択するというものでした。しかし、新しい学習指導要領が適用される学年からは、理系は物理(4単位)、化学(4単位)、生物(4単位)、地学(4単位)から2科目などという選択に変わるということでした。しかし、地歴公民と違って、理科は基礎がつく科目(2単位)とあわせて6単位分で科目が構成されているため、実質6単位の科目を2科目選択することになるということで、私の出席している委員会も議論が進んでいました。
その委員会は、約20名の大学関係者と高校関係者2名(埼玉県と東京都の指導主事)で構成されていて、ここで、何も言わないでいると大学高校の総意で決まりましたとなってしまいます。そこで、私は理科の指導主事でしたので、事前に高校教育指導課の上司に相談して、決定事項なら何も変わらないと思いますが、チャンスがあれば一言でも意見を行ってくることを了承してもらっていました。その委員会の終盤に、何もなければこれでよろしいかという司会からの言葉があったので、国公立大学の一次試験に当たる大学入試センター試験で、実質6単位科目が成立することは、高校側の立場としてはどうしても納得ができない旨を一気に述べさせてもらいました。発言する中で、理事長からはやめろというようなジェスチャーをもらった気がしましたが、高校の学習状況を最後までやり抜くうえでは1月の上旬に実施する試験で、高校でやりきる内容全ての出題には疑問が残ることと大学入試センター試験は4単位科目が基本ではないのかという旨を強く主張させてもらったことがありました。
すると、会議の翌日大学入試センターの理事長の次に当たる方たちが、埼玉県庁を訪問され、課長と私で対応して、高等学校での学習状況などを説明した覚えがあります。その結果、平成27年度の大学入試センター試験から、理科の基礎なし科目については、問1から問4が必修で、問5と問6が選択ということになりました。自分としては「蟷螂之斧(とうろうのおの)」も信じて振れば、何かが起こるのではないだろうかという思いでの一事でした。しかし、この選択問題も現在の「大学入学共通テスト」になるとともになくなってしまいました。何か、寂しさを感じる次第です。
校長日誌 高校生のための教員説明会
1月10日(金)
本日15時50分から会議室を会場に「高校生のための教員説明会」を実施しました。
講師には埼玉県教育局の教職員採用課から講師の先生に来ていただき、アシスタントとして本校の卒業生で現在大学4年生の教員志望の先輩2名にも参加していただきました。
約1時間の講義で、教員の仕事の魅力、仕事内容と職場環境、教員免許所の取得、教員採用選考試験などの話を分かり易く説明していただき、ポイントになるところで、アシスタントとして参加してくれている2人の先輩からもアドバイス等をしてもらいました。14名の本校2年生が参加して熱心に説明を聞いていました。
校長日誌 「公立高校進学希望状況」を受けて
1月10日(金)
埼玉県教育委員会は昨日9日に12月15日現在での県内中学校を卒業予定の生徒を対象とした進路希望調査結果を発表し、その内容が本日10日の新聞紙上に掲載されました(読売新聞と埼玉新聞は確認済み)。川越南高校は募集人員358名のところ581名の希望があり、倍率は1.62倍(昨年度同時期1.62倍)でした。1回目の調査結果(10月1日現在)よりは人数は減りましたが、大幅に倍率が降下する学校がある中で、昨年度と同じ倍率が維持できていたので、少しだけホッとしています。
実際の出願をする際(今年度は電子出願のため、1月27日から2月10日の間)には、変動はあると思いますが、今年度もこれだけ多くの中学生が本校を希望してくれていることを本当に有難く思っています。川越南高校の教育活動に賛同していただいて本校で学びたいと考えてくださっている中学生を心から応援したいと思っています。例年のことではありますが、受検をする中学3年生の皆さんにとっては不安な部分はあるとは思いますが、是非最後まで諦めないで川越南高生になる日を目指して頑張ってください。
また、埼玉県教育委員会は同じく9日に、今後の県立高校のあり方と再編整備計画を示す「魅力ある県立高校づくりの方針案」を了承した上で公表しました。2038年4月までに現在の131校から15~19校減らす計画が示されました。埼玉県内では少子化の影響を考え、県の推計では公立中学校卒業者数が昨年3月が約5万9千人が38年3月には約4万4千人に減少することを前提にしており、1学年6学級以上の規模での統廃合を考えるようです。今から約20年前の平成16年度入試から、埼玉県では通学区を廃止して、全県1区にしていますので、交通手段等を考慮に入れながらの編成や普通科専門学科などのニーズの違いなど、様々なことを考慮した上で、今後、具体的な案が示されていくこと思います。
今年度創立50周年を迎えた川越南高校も、生徒のどのような力をどう伸ばしていくのかなど、さらなる学校としてのビジョンを鮮明にしていく必要があると思います。川越南高校の魅力を活かしつつ、さらに新しい時代に対応して進化する先見性と柔軟性が求められるのだと思います。新たな再編整備が実施された13年後に川越南高校はどうなっているのか、それは今から何を目指してどう取り組んでいくのかにかかっているのだと改めて感じました。
校長日誌 「絵馬納め所」が開設されました
1月9日(木)
毎年恒例になっている3年生用の「絵馬納め所」が今年も1階昇降口手前の通路に設置されました。昨日の午後、3年生の担任の先生たちが準備をしてくれました。
今朝の段階でも既に、60人以上の生徒の皆さんが願いを記入して貼っていました。一人一人の願いが叶うように願っています。最後まで頑張りましょう。
また、季節性のインフルエンザが猛威を振るっていますので、十分に注意をしてください。例年であれば、まだ、流行らないはずのB型の感染もかなりの割合で見られるようです。今朝のニュースでは、タミフルのジェネリック医薬品を製造している沢井製薬が需要過多で製造追いつかず、タミフルを一時供給停止として、再開は1月の下旬以降ということも報じられていました。タミフルなどの抗ウイルス薬は、医師の診断を受けて処方箋を出していただかないと手に入れることは難しいと思います。とにかく、インフルエンザに罹患しないように注意を払いながら行動するしかありません。まずは、マスクの着用と手洗いやうがいの実施です。
校長日誌 3学期始業式
1月8日(水)
本日1限に3学期始業式を行いました。体育館での寒さやインフルエンザ等の流行等を考慮してリモートで実施しました。その後、1・2年生は課題テストを行います。3年生は、LHRと大学入学共通テスト関係のガイダンス等を行う予定です。
校長講話を行った後、進路指導主事の越後先生からの講話を行いました。越後先生の話の中では、私も以前読んだことのある「科学的根拠に基づく最高の勉強法」安川 康介著の紹介がありました。特にその中で「アクティブリコール」と「分散学習」の話があがっていました。一度読んだ内容であったので、あの事だなとすぐに思い出すことができました。皆さんも是非参考にして欲しいと思います。
校長講話の概要は以下の通りです。
あけましておめでとうございます。校長の石川です。
今年の「干支(えと)」は「乙巳(きのと・み)」になります。
本来「干支(えと)」は「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を略した呼び名で、「十干」と「十二支」の組み合わせて60通りの年号を作り出す古代中国で生まれた暦法です。十干は「甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸」の10種類、十二支は「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」の12種類があり、順番に組み合わせて決まるので、10と12の組み合わせになるので60通りのパターンがあり、60年に1回巡ってくるものです。60年に1回暦が巡るので、60歳の時を還暦といいます。また、2025年の乙巳は、上位の60通りの中で42番目になります。
今年の「乙巳」の干支でいう意味は、「乙」は「軋」を意味しています。陰陽五行説では木の陰のエネルギーを表し、植物が成長し広がっていくような意味合いです。柔軟性や協調性を象徴し、周囲との調和を保ちながら自身の目標に向かって進んでいく力を表しています。「巳」はヘビを意味しますが、神聖な生き物として崇められてきました。脱皮を繰り返して成長していくさまから、復活と再生のシンボルとして縁起の良い生き物なのです。そこで「乙巳」は、物事が順調に進む年と言われます。しかし、時には困難に直面することもあるかもしれません。そんな時は焦らずに粘り強く取り組む姿勢が重要です。自分のペースを保ちながら着実に前進することで、最終的には望む結果に近づくことができると思います。皆さんにとっていい年になるといいですね。
ここで一つ話をしたいと思います。
皆さんは「STEAM教育」という言葉を知っていますか。
AIやIoTなどの急速な技術の進展により社会が激しく変化し、多様な課題が⽣じている今⽇においては、これまでの⽂系・理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを基盤としつつ、様々な情報を活⽤しながらそれを統合し、課題の発⾒・解決や社会的な価値の創造に結びつけていく資質・能⼒の育成が求められています。
元々あったSTEM(Science、 Technology、 Engineering、 Mathematics)教育にAを加えて、STEAM教育となったものです。新たに加わったAの範囲を芸術、⽂化(Arts)のみならず、⽣活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲 (Liberal Arts)で定義し、推進することが重要であるとしています。
文部科学省では、STEAMの各分野が複雑に関係する現代社会に生きる市民、新たな価値を創造し社会の創り手となる人材として必要な資質・能力の育成に向け、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習を推進しようとしているのです。このことを、皆さんも毎週取り組んでいる総合的な探究の時間などで実施しようとするものです。年末には日本薬科大学を会場に県立高校生が1,000名以上参加した探究活動生徒発表会を見てきました。来年度は本校からも参加したいと思います。
文系・理系という区分は昔からあったわけではなく、大学受験が受験戦争といわれるようになったころから、効率的に受験勉強をするために分けるようになったのです。
先日、2年生の国語の授業見学の際に、森鴎外の「舞姫」を学習していました。皆さんも知っていると思いますが、森鴎外は、本名を森林太郎といい、日本の明治・大正期の小説家として有名です。現在の東京大学医学部を卒業後、陸軍軍医になり、陸軍省派遣留学生としてドイツでも軍医として4年間を過ごしました。帰国後、小説「舞姫」をはじめとする様々な作品を発表する一方、同人たちと文芸雑誌「しがらみ草紙」を創刊して文筆活動に入ったそうです。その後、陸軍軍医総監(=陸軍中将相当)として日清戦争出征や小倉転勤などにより創作活動から一時期遠ざかったものの、「スバル」創刊後に「雁」などを発表しています。乃木希典の殉死に影響されて「興津弥五右衛門の遺書」を発表後、「高瀬舟」など歴史小説や史伝なども執筆しています。陸軍を退いた後は宮内省に転じ、帝室博物館総長や図書頭を死去まで務めたほか、帝国美術院初代院長なども歴任しています。
皆さんの知っている森鴎外は、小説家であり陸軍の軍医であったので、今でいう文系と理系の両面で活躍していた人だったのです。
また、陸軍軍医総監時代のエピソードがあります。
「脚気」という病気があります。かつて日本では「国民病」といわれるほど流行した歴史があり、脚気にかかると、神経の障害によって手足が麻痺し、しびれなどを引き起こします。重度になると、心臓に障害を起こして死亡することがある病気です。
江戸時代、玄米に代わって白米が徐々に普及するにつれ、脚気が広まり始めました。その原因は米の胚芽に多く含まれるビタミンB1が、精米によって取り除かれてしまうからだした。その上、当時は副食も乏しく、そもそもビタミンB1は欠乏しがちだったのです。当時はビタミンの概念などはなく、脚気は原因不明の奇病とされ、白米がいち早く普及した江戸に多かったことから、「江戸わずらい」などとも呼ばれていました。
明治時代以降は脚気の流行がさらに拡大し、年間1~3万人が脚気で亡くなっていました。特に、同じ兵食を食べる軍隊内では脚気によって兵士が次々と亡くなり、国家を揺るがす大問題になりました。戦傷者より脚気患者のほうが多く出て、壊滅状態に陥る隊すらあったということです。
海軍軍医の高木兼寛は、脚気の原因が食べものにあることをいち早く見抜き、兵食に麦飯を取り入れ、海軍の脚気を激減させました。イギリスに留学経験のあった高木は、イギリス海軍に脚気がないことに注目し、洋食が解決の鍵であることに気づいたのでした。
一方、陸軍軍医であった森林太郎は、脚気は「脚気菌」による細菌感染症であるとする説にこだわっていました。当時、ドイツで細菌学が隆盛し、世界をリードしていました。東京大学からドイツに留学し、最先端の医学を学んだエリート軍医の森にとって、高木の経験則に基づく治療は非科学的に映ったのかもしれません。麦飯が有効とする説が広まると、対抗するようにますます「細菌説」に固執しました。当時の陸軍の兵食は一日に白米六合であり、副食は乏しく、皮肉にも脚気のリスクが極めて高い食生活でした。
その結果、日清戦争では4000人以上、日露戦争では2万7000人以上の陸軍兵士が脚気で死亡した一方、海軍兵士の脚気による死亡は日清戦争でゼロ、日露戦争ではわずか3人であり、海軍の兵員数が陸軍より少ないことを差し引いても、凄まじい差であったのです。
1911年に、化学者、鈴木梅太郎が、脚気に効く物質を米糠から取り出すことに世界で初めて成功し、これをオリザニンと名づけました。しかし、日本語論文での発表であったため、世界的には広まらず、その翌年、ポーランドのフンクによって「ビタミン」が発見され、ようやく脚気はビタミン欠乏症の一つであることが認知されたのでした。
科学論文を発表する際に英語が必要なのは今も同じです。ですから、理系に進んだ人も英語の大切さを忘れないでください。逆に英語が得意な人は科学者の研究チームに入れば仕事に事欠かないともいえると思います。
進路指導部の越後先生から「全教科学習」という言葉が出ますが、成長途中の、皆さんにとってどの教科も大切なのです。
冬休みも終わり、3年生にとって来週末は「大学入学共通テスト」です。これまでやってきたことを振り返り、自分の中で長期記憶化してきた知識の成果を発揮してください。そして、そのあとに続く、私大や国公立大の二次試験に向けて、蓄えてきた力を出し切ってください。学問に王道はないと言います。自分がやってきた努力を信じて、自分のNEXT STAGEに挑戦してください。また、1・2年生も1年後、2年後に自分たちの時が来ます。千里の道も一歩からです。日々の努力を大切にしてください。私からは以上です。
校長日誌 七草がゆ
1月7日(火)
久しぶりの雨も上がり、日本列島上空には西側から今期最強といわれる寒波が接近しています。そのため、今週末は急激に気温が下がる予報が出ています。冬季休業も本日までです。明日は3学期始業式が終わった後、1・2年生は課題テストを予定していますので準備していたものを出し切れるようにしてください。
今日1月7日(火)は、春の七草を入れた七草粥を食べる日として知られています。
春の七草は「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(かぶ)、すずしろ(だいこん)」になり、これらを入れて作る七草粥は、お正月のご馳走疲れや食べ過ぎの胃に優しいものと捉えられています。
七草粥の始まりとしては、平安時代前期に宇多天皇が、初めて七種の若菜を入れた粥を神に供えて、無病息災を祈念したのが始まりとされているようです。江戸時代には、正月七日に将軍が七草粥を食べる祝儀が定着し、庶民にも浸透していったといわれています。また、先人たちが無病息災を祈ったのには、「せりは血を止め精を養い気力が増す」「なずなは五臓を利し目を明らかにし胃を益する」ほか、七草それぞれに効能があるとされてきたからだといわれています。さらに、青物が不足する冬の時期に、新鮮な若菜の息吹を身体に取り込みたいという願いもあったのではないかと考えられています。
また、正月七日は、五節句の一つで、新年最初の節句・『人日(じんじつ)の節句』です。
※五節句 1月7日:人日の節句(七草の節句)、3月3日:上巳の節句(桃の節句)、
5月5日:端午の節句(菖蒲の節句)、7月7日:七夕の節句(笹竹の節句)、
9月9日:重陽の節句(菊の節句)